Archive for 1月, 2016

サンカノゴイ

皆さんは「サンカノゴイ」をご覧になったことがありますか?ゴイとついていますが魚のコイの仲間でなくてりっぱな「鳥」なんです。

漢字で書くと「山家五位」となるのですが・・・初めて見ると鳥の名前を表しているのか、ちょっと分かりませんね…。

サギ科に所属し、全長は約70センチメートル、翼を開くと125~135センチメートルもあります。
見た目はフクロウのような色で所どころ黒い模様があり、くちばしがサギのようにとがっていて胴回りがずんぐりと丸くまるで、ラグビーボールを思わせます。

サンカノゴイ

湿地、湖沼、河川など,広大な湿性草原に生息していますが、警戒心がとても強く、長い首を伸ばして草の中から顎を突き出した姿はよく見られており、いつも植物などに隠れています。
開けたところには出てこないのですが、意外と素早く移動するのでついつい見逃してしまいます。飛んでいる姿はきれいに扇が開いているようで羽の模様がとってもきれいなんです。

                                               飛ぶサンカノゴイ

警戒しないでもっと出てきてほしいところですが、もしも今まで見かけていたら幸運ですね。
めったに鳴きませんが、鳴き声は「ブォ~ン」という感じでウシガエルに似ているとも言われているんです。
主に両生類や魚類、甲殻類を食べる動物食でヘビ、ネズミなどの小型哺乳類、小型の鳥類などを捕まえてエサとしています。繁殖期には、「ボォーボォー」と低くよく通る声で繰り返し鳴き、通常よりも全身を広げて飛んでいる姿が見られています。
基本的に単独で生活していて、年に1度4月下旬から7月にかけて繁殖期があって、枯れ草などで巣床を作り1度に3~7個の卵を産みます。妊娠期は約25日で産まれたら、メスが卵を抱きかかえて温め、ヒナも育てます。

季節的には夏に見られる鳥で、他の繁殖地(琵琶湖・霞ヶ浦・印旛沼など)周辺では年中生息していますが個体数は少なく、近年生息地となる広大な湿原や、餌になる小動物が減少していることから絶滅が危惧されているのです。生息地近くの工事などで湿原やヨシ原が減少していく為、住む場所がなくなっていくのです。
自然の豊かな北海道にはここだけしかいない、住めない動物や植物がありますが、人間の開発や乱獲などで住む場所を失いさらには、エサも取れなくなって固体数が減少していきます。
そんな絶滅危惧種を減らす為にも必要のない乱獲はもちろん、これらの絶滅危惧種が生息している環境を守りながらの開発をして、自然と共存していけるような環境を作っていけたらいいと願うばかりです。