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ウミネコ

たくさんいたはずの動植物がいつの間にか減ってしまっていたり、少なかったはずのものがいつの間にか増えすぎてしまっていたり、ひとつの動植物を保護すれば別の動植物が減ってしまうこともあり、生態系のバランスとは難しいものです。

動物でも植物でも、全ての生きる者たちにとって、どうすることが正しいのかなんて難しいことは私にはわかりませんが、どんな生物も必死で生きているわけだから、数の増減は仕方のないことで、どうすることもできないのかもしれませんね・・・。

なんだか辛気臭くなってしまったのは、きっと、海辺で見られてわりと身近にいたように思う「ウミネコ」が、北海道が昨年改訂した「北海道レッドリスト(鳥類編)」で「準絶滅危惧種」に指定されたからかもしれません。
“準”とはいえ、やっぱり新たに絶滅危惧種に指定されるのは“なんだかなぁ・・・”っていう気分になってしまいますね^^;

気を取り直して、ウミネコについてご紹介していきましょう。
「ウミネコ(海猫・Larus crassirostris)」は、チドリ目カモメ科カモメ属に分類される鳥類で、和名は鳴き声がネコに似ていることに由来しているのだとか。と言うことはですよ、かわいい鳴き声なんです( ´艸`)
ウミネコ

日本では周年生息していますが、北海道や本州北部で繁殖する個体群は、冬になると多くの個体が南下していきます。
魚類、両生類、昆虫、動物の死骸などわりとなんでも食べるし、他の鳥類が捕らえた獲物を奪うなんて事もしたりと、たくましいこともしています。

ちょっとおもしろいのが、小魚などを巣に運んでいるときに吐き出してしまうことがあるとかないとか・・・。
なので小魚が路上に散乱しいてるという不思議な光景が出来上がって、初めて見る人はビックリしてしまうかも( ´艸`)

準絶滅危惧種に指定されるくらい数が減ってしまった詳しい理由はわかっていないのですが、ワシが増えていることに関係しているのではないかと言われています。
それに、集団繁殖地をつくって卵を産んで繁殖をするのですが、大きな集団繁殖地がある利尻島以外ではその数が減少傾向にあり、“エサ不足”や“野生化したネコなどの捕食”も原因ではないかと言われています。
自然界はやっぱり弱肉強食で、強いものがエサにありついて生き残っていくということなんでしょうかね^^;

これは個人的な考えなんだけど、地震や台風、豪雨などの災害で、崩れたり流されたりして自然が壊れていっているのも原因となっているのかな?最近は自然災害が多くて、地球自体が大丈夫なのかなって不安にもなってしまいます^^;

少し話しがそれてしまいましたが、ひとつ言えるのは、“絶滅しないでほしい”ってことですね。

キンメフクロウ

私たち人間からすれば、自然がたくさんあってきれいな景色が広がっているように見える北海道。だけど、そんな北海道ですら、動物たちからしたら自然が減ってしまって住む場所を追われていたり、エサがなくなってしまったりして、絶滅の危機にある動物たちもたくさんいます。

今回、注目した「キンメフクロウ」も絶滅の危機にある動物。

フクロウ目フクロウ科に分類される鳥類の一種である「キンメフクロウ」
漢字では「金目梟」と書き、学名は「Aegolius funereus」と言います。和名は特徴的な目の色からつけられ、学名はスウェーデンの博物学者ピーター・グスタフ・テングマルムから名付けられました。
キンメフクロウ

北アメリカ大陸やユーラシア大陸の北部に帯状に生息していて、年間を通して同じ場所に生息し、季節による移動をしない“留鳥”です。
日本では、秋に来て冬を越し春に去る渡り鳥として、北海道や新潟県で数回記録されただけでしたが、1986年に北海道の大雪山系の針葉樹林で繁殖が確認されました。現在は3ヶ所でのみ繁殖が確認され、留鳥として生息していますが、生息地が限定されているし、生息数もとっても少ないしで、環境省のレッドデータブックに絶滅危惧1A類として登録されています。
森林に生息しているため、森林が減ってしまうことで生息数も減ってしまうのではないかと心配されています^^;

体長は22cm~27cm。翼を広げると50cm~62cmになり、オスとメスではメスのほうが少し大きめかも。
頭、背、翼、尾は褐色で、細かい白斑が頭部と頸に、それよりやや大きな白斑が背面にあり、オスもメスも同じ色。幼い頃はチョコレートのような暗い茶色をしています。
頭は大きめで、顔面は白く、目は黄色をしていて、驚いたような表情をしているように見えるかもしれませんね^^;

基本的には夜に活動する夜行性。茂雪や植物の下にいる姿の見えない獲物も捕えることができった針葉樹林や針広混合林の奥の、他の大型のフクロウ類が活動できないような場所で生活しています。森の中をジグザクに飛び、止まり木から止まり木へ短距離ずつ飛翔して、トガリネズミやヤチネズミ、ハタネズミ、ズアオアトリなどの小鳥、甲虫などを探して食べています。

聴覚がとっても優れていて、聴覚で正確に獲物の位置を知ることができちゃうんです。雪や植物の下にいる姿の見えない獲物もつかまえることができるほど!
目に見えなくてもつかまえることができるなんて、なかなかにすごい能力ですね( ´艸`)

動物たちにとっては過酷な状況なのかもしれないけど、どんな環境でも自分たちの能力をフル活用して、必死に生きているはず!そんな動物たちが“絶滅”なんてことにはならないことを祈るばかりです・・・。

ミツバヤツメ

“絶滅危惧種”とは、“絶滅の危機にある生物種”のことをいうのですが、絶滅しそうな生物たちは思いのほか多かったりします。今まで紹介しただけでもけっこうな種類だと思うのにまだまだいたりするから驚きです^^;

住むところが減ってしまったとか、生態バランスが崩れたからというのが主な理由で、そのどちらにも人間が関わっているというのはなんだか悲しいもので・・・。絶滅なんてことにならないことを願うばかりです。

なんだかしんみりとしてしまいましたが、気を取り直して、今回も北海道の絶滅危惧種をご紹介です。今回注目したのは、名前を聞いてもどんな動物なのかピンとこないかもしれない「ミツバヤツメ」です!
ミツバヤツメ

「ミツバヤツメ」は、ヤツメウナギ目ヤツメウナギ科ミツバヤツメ属に属する水中動物です。体はウナギのような形をしていますが、口が吸盤状で胸びれや腹びれがなく、体の脇に目に並ぶように7つの鰓孔(さいこう)があり本物の眼とあわせて左右8つずつの眼に見えて、三つの歯を持つことから「三歯ヤツメ」と命名されました。

生息しているのは、太平洋の北半球側で、日本では北海道のごく一部の河川。まれに本州の河川にも迷い込んでくることもあります。

大きなものは全長70cmくらいになり、海で大型魚に寄生して成長した成魚は、春から夏にかけて産卵のために海から河川を遡行し、卵は3週間前後で孵化し、稚魚は3~5年の間は川床の中に潜んで過ごし、変態して春に海へ下っていくのです。だけど、海へは行かず淡水で寄生生活をすることも。

日本では30尾くらいしか発見されていなくて、見つかること事態がまれで、生態も謎だらけの絶滅危惧種。国内ではまだ詳しい生態調査はされておおらず、はっきりとしたことはわかっていないのだとか・・・。
個体数が少ないだけでなく、生体がよくわかっていないということもあって、探してもなかなか見ることができません。

だけどぜったいに見れないというわけではないのでご安心を!
どうしても見てみたいと思ったら、栃木県大田原市の水族館「栃木県なかがわ水遊園」へ行ってみましょう!栃木県なかがわ水遊園では、那珂川水系で発見された2尾がで飼育されていて、唯一生きたミツバヤツメを見ることができるのです。珍しいものが見られるというのもあるのですが「気持ち悪い」と好評なのだとか・・・。

パッと見はごく普通のウナギ型の魚なのに、どこが“気持ち悪い”のか・・・。それは、口を吸盤のようにしてガラスに張り付いたところを見るとわかります。
yatsume07
どうですか?納得!ではないですか?
こう言ったらなんですが、確かにちょっと“気持ち悪い”ものがあります・・・^^;

それはさておき、せっかくの貴重な2尾が長生きしてその姿をいつまでも見せてくれて、絶滅の危機にストップをかけてくれたらいいですね^^

エトピリカ

皆さん“絶滅危惧種”のことを詳しく知っていますか^^? きっと自信を持って「はい!!」と答えるのは専門家の人ぐらいなのではないでしょうか。

 

私自身も、絶滅危惧種が現在、日本でどのぐらいの数がいるのか・・・あるいは惜しくも、本当に一匹残らず絶滅してしまった生物が何なのか・・・と聞かれるとハッキリした回答が出来ませんが(^^;

今や、日本でも大気汚染や地球温暖化によって、悲鳴を上げている生き物たちがいることは間違いありません!! 私たち人間は、ほとんどの人が、不自由なく暮らすことが出来ていますが、生き物たちも同じでしょうか?きっと必死に食べ物を探したり、住む場所を作ったり、毎日必死なハズ。人間が、自由勝手に自然を破壊して“都会化”が進むにつれて絶滅危惧種も増えてしまうことでしょう。

 

国内の中でも、注目するのは“北海道の絶滅危惧種”

 

これまでたくさんの生き物たちを紹介してきましたが、まだまだいます!!

 

今回紹介するのは「エトピリカ」

この名前を聞いても“一体どんな生き物なのか”分からない人が多いのでは^^?
「エトピリカ」とは、チドリ目・ウミスズメ科に分類される海鳥の一種。鮮やかな羽とくちばしが特徴のある“海鳥”なんですよ~。

どのぐらいの大きさかというと、体長は約40㎝・体重は約750g程度。皆さんがよく知っている鳥に例えると、鳩よりも少しだけ大きいくらいですかね。

 

そして、この「エトピリカ」という変わった名前の由来について・・・エトピリカとは、北海道でもお馴染みのアイヌ語で“くちばしが美しい”という意味!!

 

くちばしが美しいことがそのまま名前になるなんて・・・

一体どのぐらい綺麗なのか見てみたいと思ったでしょ^^? ご覧ください~!!

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いかがでしょうか^^?その名の通り美しい、橙色の大きなくちばしをもっています。そのくちばしをよく見ると、縦に平べったく、そして数本の 溝があるのが分かりますか?

 

更に、頭部が鮮やかに彩られる様から「花魁鳥」(おいらんちょう)という別名もあるんですよ~。 よく似ているとして“ツノメドリ”が挙げられますが、お腹のあたりまで黒いこと、そして夏羽の飾り羽で区別することが出来ます。

 

この「エトピリカ」は、世界的に決して数の少ない鳥ではないのですが、日本は“分布域の西端”にあたるため生息数が少なくなっているのです。 日本の中でも、繁殖地は“北海道東部”の厚岸町大黒島、浜中町霧多布(キリタップ)小島、根室市ユルリ島、モユルリ島のみで、 1960年頃には、約250羽程が飛来していたのですが、現在は30~40羽程となり、そのうちの十数つがいが繁殖するのみとなっているんだそう。

 

これも、日本が住みにくくなっている証拠なのではないでしょうか!!

 

気になった方は北海道へ!!

北海道旅行 プラン

シマアオジ

“自然がいっぱいの北海道”しかし!!今やたくさんの生き物たちが“絶滅危惧種”になってしまっているのを知っていますか!?

植物や海の生き物など、色々な場所で必死に生きている・・・。今後もずっと守っていきたい大切な一つの命。

たくさんいる中で、今回、私が注目したのは「シマアオジ」という野鳥。 「シマアオジ」は、お腹の辺りが綺麗な“黄色”で、とっても可愛らしい綺麗な鳥なんですよ~^^

元々は“ユーラシア大陸”で見られていた鳥だったのですが、その数は見る見るうちに激減してしまいました。 何故激減してしまったのか・・・原因は、私たち人間が“開発”によって、この鳥たちの居場所を奪い取ってしまったからなんです。

開発ももちろん、人が住みやすい街にするためにしたことなのですが、鳥たち生き物のことは全く考えていませんよね・・・。 更に、中国にいたっては「シマアオジ」を食用にしているんだとか・・・!!本当に酷い話です。

1980~2003年の間に、地球上の生息数90%も激減しています。もう本当に数える程しか生息していない“貴重な存在”

きっと「シマアオジ」と聞いても「見たことも聞いたこともない」という人がほとんどなハズ!!

全長は15㎝、体重は20g程の小さな野鳥。例えるなら“スズメ”のような背格好です。少し前、日本でも“青森県”や“秋田県”に“繁殖例”があったのですが、今では“北海道の草原”にだけ繁殖しているといっても過言ではないぐらいに貴重化されています。

彼らは中国や東南アジアで越冬し、主な繁殖地はユーラシア大陸北東や極東ロシア等ですが、日本では北海道が唯一の繁殖地。

また同じホオジロの仲間に“アオジ”といって、実は“スズメ並”に数が多い野鳥がいるのですが、その“アオジ”に模様が付いているから“シマアオジ”というのではないので、ご注意を^^!!

北海道で見られる有名な鳥といえば、シマフクロウやクマゲラなどがいますが、この“シマアオジ”も“北海道を代表する野鳥”と いえるでしょう^^!!

せっかく“北海道を代表できる野鳥”といわれているのに、1999年“環境庁から同種は準絶滅危惧種の1つ”に指定され、更に2006年には“絶滅危惧IA類”に・・・。 先程、紹介したように、中国で“食用化”されているのも問題ですが、北海道の生息環境の変化も大問題なのです。

「シマアオジ」は“何処でも住める鳥”ではないので、この可愛らしい姿を守るために、私たちにできることを少しでも実行できれば“何か”変わるかもしれません。

マリモ

北海道には“絶滅危惧種”の生き物たちがたくさんいます。これは、今後私たち人類にとっても困る重大な問題なのですが、やはりなかなか解決しそうにありません・・・。

絶滅危惧種の一つである“マリモ”
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私自身、マリモといえば「そういえば昔、土産物売り場なんかでよく見かけたなぁ~」というイメージしかなく、
関心もありませんでした。しかし、改めてよく見てみると、コロコロっとした見た目で、ゆっくりですが、他の場所へと移動していたり・・・案外“可愛らしい”生き物なんですよ~。これから皆さんの大切にしてほしいので、今回「マリモ」について書かせていただきます^^

まず初めに、マリモって漢字はどう書くのかわかりますか?分からない方のが多いのでは!!「毬」+「藻」で「毬藻」^^見た目が毬のようだから、そう名づけられたんでしょうね。単純だけど、ナイスネーミングだと改めて感じます。

そして、マリモは“糸状の藻”が集まって出来た物だということを知っていましたか^^?私は、ずっと個体の生き物だとばかり思っていました。。。“藻”ということは、植物なんです。“藻”たちが合わさって出来ているものだなんて。。植物って素晴らしいですね^^どういうことから、皆が合わるという性質が出来たんでしょう。。。

そして、マリモの“藻”の中には、球体の一部にはならずに、普通の“藻”として生きていくものもいるんだそう。「私はマリモにはなりたくない、ひとりで生きていく!!」という意思でもあるんでしょうか^^面白い発見です!!

ということは、酷い話にはなりますがマリモをバラバラにしても“藻”たちは生き続けるということ。
マリモといえば、「可愛らしく、か弱い」というイメージがありますが、案外強い生き物なんですね^^頼もしい!

そんな強いマリモにもいずれ“最期”は訪れます。鮮やかな緑色が茶色っぽくなり、時間が経つと白くなるんです。
もし、今マリモが家にいるという方がいたら、定期的に水を変えてあげたり、マリモを手のひらでコロコロ転がして洗ってあげたり、適度に日が当たる場所で、大切に育ててあげてくださいね。

他にも新たな発見を一つ。。皆さん、マリモって真ん丸なイメージがありますよね?
実は、球状になるのに条件が必要なんですよ!!条件を満たしていないマリモは、少し細長くなっていたり様々な形を
しているんです。その条件とは、生息している場所の地形、波による水の流れ、湖の性質など細かいんです。
丸いのが当たり前だと思っていましたが、大変なんですね。。。売っているマリモは、基本人の手で丸めたものなんだそう。

マリモについて色々新たな発見を知ることが出来ましたか^^?何十年後もこのマリモが元気よく、たくさん生きていますように・・・

オショロコマ(カラフトイワナ)

今すぐに絶滅が心配されていたわけではなくても、生体の減少によって絶滅種危惧種のひとつになってしまいます。
絶滅が心配され保護することによって数が増える場合もあれば、まだ大丈夫だと思っていても思いのほか数が減っていたという場合もあるということです。
今回ご紹介する「オショロコマ」は、すぐに絶滅してしまう心配がされていたわけではないのですが、さまざまな要因により絶滅の危機にあるとされ、準絶滅危惧から絶滅危惧II類へとなりました。
オショロコマ

「オショロコマ」は、サケ目サケ科に属する魚で、「カラフトイワナ」とも呼ばれています。
北極海や北部太平洋沿岸に生息しているのですが、日本では北海道のみに生息していて、北海道でも大雪山系や日高山系の山岳渓流に多く、知床半島にも生息しています。

体は細長く、全長約30cmになり、色はふつう褐色で、背側は黒褐色や褐色のある緑青色、体側に5~10個のパーマークと呼ばれる斑紋と赤色点が散在しています。
日本に生息するオショロコマのほとんどが河川残留型なのですが、まれに降海し生活をしている個体もいます。

降海型は高緯度地域ほど出現し易く、2年から4年の河川生活の後、サケ・マス類でパーマークなど特有の体色が薄くなり銀色になる現象で海水耐性が発現していることを示す変化であるスモルト化をすると降海します。冬の間は河川をさかのぼり、湖や流速の緩やかな深み場所で冬を超しています。

 

10~11月頃に産卵期を迎え、この時期の雄は全体に体が黒ずんでいます。卵は1~2日で孵化し、稚魚は流れの緩い岸辺の浅瀬などで生活しています。

日本国内ではすぐに絶滅する心配がされているのではありませんが、環境省レッドリストでは準絶滅危惧から絶滅危惧II類にあげられ、絶滅危惧種の一種となってます。
知床半島などの生息地では、ニジマスやブラウントラウトなどの外来魚との張り合いや一部の釣り人による乱獲、林道工事、河畔林伐採などにより生息環境が壊されたことで、絶滅の危機にあるとみられているのです。

絶滅の危機にあるからと保護して数が増えすぎても生態バランスが崩れてしまう恐れもあるので、増えすぎず減りすぎずが理想なのでしょうが、それが難しいところなんですよね^^;理想通りになれば、増えすぎる生体も絶滅してしまう生体もいなくなるのでしょうが、そうもうまくいかないのが現実というもので・・・。上手くバランスを取りながら絶滅の危機を逃れてほしいものです・・・。

ハラビロトンボ

秋になるとよく見かけるようになるトンボ。昆虫に詳しくないと、どれも同じに見えるかもしれませんが、トンボにもさまざまな種類がいます。そのなかでも、絶滅が懸念されているのが「ハラビロトンボ」です。

「ハラビロトンボ」とは、トンボ科ハラビロトンボ属のトンボの一種で、名前の“ハラビロ”には“腹広”という意味があります。日本では、北海道から本州、四国、九州に生息していて、北海道では函館と長万部だけで確認されています。

国際自然保護連合の軽度懸念の指定を受けていて、北海道の絶滅危惧種の指定を受けています。それだけでなく、千葉、東京、青森、神奈川、富山、鹿児島などの都道府県でも重要保護生物や絶滅危惧II類、少野生生物Cランク、要注意種などの指定を受けています。
日本の北から南まで広く生息していて、北海道だけに生息しているわけではないのですが、どの地域でも絶滅が懸念されているということです。

そんなハラビロトンボは、成虫になっても体長が31~39mmとそんなに大きくならない小型のトンボなのですが、体長のわりに腹部がとにかく太くて短い独特の体系をしていて、特にメスのほうがその特徴が目立ちます。
ハラビロトンボのメス

未熟なうちは、オスもメスも全身が黄色い色をしていますが、成熟するにつれて、オスは全身が黒くなった後に腹部背面が青白い粉を帯びるようになるのですが、メスは、全身の黄色が濃くなる程度で白っぽくなるものもいます。
ハラビロトンボのオス

幼虫は毛深いヤゴで、常にたくさんの泥を付けています。そのため、他のトンボより乾燥に強く、水が干上がってもある程度は泥の中で生きていけるとされています。

成虫は、平地の浅い池沼、湿地、休耕田などで羽化し、日本の早いところでは4月下旬頃から羽化が始まり、遅いところでは9月頃まで見られます。
羽化したら、その場所から近くの草むらで接触活動を行い、あまり遠くまで移動しません。

成熟したオスは、狭いながらも縄張りをつくり、メスを見つけると交尾をしています。産卵は、メスが単独で行う打水産卵で、抽水植物の陰に隠れるようにして行い、オスは、少し上空でメスを見守っています。
シオヤトンボとの異種間交尾が見られることもあるようです。

トンボのような昆虫などは絶滅危惧種と言われてもあまり実感がないかもしれませんが、確かに数は減ってきています。どんな生物でもいなくなってしまえば、生態バランスが崩れ少なかれ影響があると思います。絶滅ということにならないのを願うばかりです・・・。

サンカノゴイ

皆さんは「サンカノゴイ」をご覧になったことがありますか?ゴイとついていますが魚のコイの仲間でなくてりっぱな「鳥」なんです。

漢字で書くと「山家五位」となるのですが・・・初めて見ると鳥の名前を表しているのか、ちょっと分かりませんね…。

サギ科に所属し、全長は約70センチメートル、翼を開くと125~135センチメートルもあります。
見た目はフクロウのような色で所どころ黒い模様があり、くちばしがサギのようにとがっていて胴回りがずんぐりと丸くまるで、ラグビーボールを思わせます。

サンカノゴイ

湿地、湖沼、河川など,広大な湿性草原に生息していますが、警戒心がとても強く、長い首を伸ばして草の中から顎を突き出した姿はよく見られており、いつも植物などに隠れています。
開けたところには出てこないのですが、意外と素早く移動するのでついつい見逃してしまいます。飛んでいる姿はきれいに扇が開いているようで羽の模様がとってもきれいなんです。

                                               飛ぶサンカノゴイ

警戒しないでもっと出てきてほしいところですが、もしも今まで見かけていたら幸運ですね。
めったに鳴きませんが、鳴き声は「ブォ~ン」という感じでウシガエルに似ているとも言われているんです。
主に両生類や魚類、甲殻類を食べる動物食でヘビ、ネズミなどの小型哺乳類、小型の鳥類などを捕まえてエサとしています。繁殖期には、「ボォーボォー」と低くよく通る声で繰り返し鳴き、通常よりも全身を広げて飛んでいる姿が見られています。
基本的に単独で生活していて、年に1度4月下旬から7月にかけて繁殖期があって、枯れ草などで巣床を作り1度に3~7個の卵を産みます。妊娠期は約25日で産まれたら、メスが卵を抱きかかえて温め、ヒナも育てます。

季節的には夏に見られる鳥で、他の繁殖地(琵琶湖・霞ヶ浦・印旛沼など)周辺では年中生息していますが個体数は少なく、近年生息地となる広大な湿原や、餌になる小動物が減少していることから絶滅が危惧されているのです。生息地近くの工事などで湿原やヨシ原が減少していく為、住む場所がなくなっていくのです。
自然の豊かな北海道にはここだけしかいない、住めない動物や植物がありますが、人間の開発や乱獲などで住む場所を失いさらには、エサも取れなくなって固体数が減少していきます。
そんな絶滅危惧種を減らす為にも必要のない乱獲はもちろん、これらの絶滅危惧種が生息している環境を守りながらの開発をして、自然と共存していけるような環境を作っていけたらいいと願うばかりです。

ウミガラス

ウミガラス

ウミガラスはチドリ目・ウミスズメ科に分類される海鳥の一種で、鳴き声が「オロロン」とか「オロオロオロ」と聞こえたことから「オロロン鳥」とも呼ばれています。
体長は約40cm、体重は約1160gと、ウミスズメ科の中では最大で、背中の部分は黒く、お腹の部分が白い。
くちばしは長く、翼も尾も短い。脚が尾の近くにあって、陸上を歩く姿はペンギンに似ていてとても愛らしい。けれど、実は陸上を歩くのが苦手だったりします。

ペンギンに似た姿をしていても、ペンギンと違って空を飛ぶことができます。空を飛ぶ時は、短い翼を高速で羽ばたかせ海面の近くを飛びます。

水中を潜るのは上手で、水深50mを約3分潜水できたり、最深記録は約180mにもなります。巧みに潜水してはイカ、シシャモ、稚魚、イカナゴ、カジカ、ギンポなどを捕まえてエサとしています。
ウミガラス水中

繁殖期には、無人島や陸生の捕食者が近づけないような崖や崖の上に集団で繁殖地を作るのですが、巣は作らず岩や土の上に直接1個の卵を産みます。転がっていかないか心配になってしまいますが、卵は「セイヨウナシ型」と呼ばれる一端が尖った形をしていて、転がってもその場で円を描くように転がるため断崖から落ちにくいようになっているのです。それにもし、卵がなくなってしまっても一度だけ産みなおすことができるのだとか・・・。
繁殖開始年齢は平均5歳で、それから約20年は繁殖をします。
ウミガラス卵

生まれたヒナは生後平均21日間は繁殖地にとどまり、親鳥の半分くらいの大きさになったらまだ飛べないうちから巣立ちし、その後約2か月は海上で親鳥の保護を受けながら成長していきます。

 

かつては北海道羽幌町天売島や、松前町渡島小島、ユルリ島、モユルリ島などで繁殖していましたが、今では天売島だけとなりました。
1938年には約40,000羽以上いましたが、2002年には13羽にまで減り、近い将来に絶滅してしまう危険性がすごく高くなっています。

ここまで数が減ってしまった原因は、漁網による混獲、観光による影響、捕食者の増加、エサ資源の減少などではないかと言われています。
1960年代から70年代にかけて盛んに行われたサケ・マス流し網漁業による混獲でたくさんのウミガラスが犠牲となりました。それ以前にもニシンの乱獲によって凶漁となった時期、ウミガラスが激減した時期と一致しています。
魚類を捕りすぎてしまった結果、魚をエサとする海鳥や海獣も食糧難となりその数が減ってしまいました。
他にもウミガラスの天敵であるオオセグロカモメやハシブトガラスが増え、卵や雛が捕食されやすくなっってしまったことなどが原因にあります。

このまま絶滅してしまわないように、デコイという鳥の模型や音声装置を設置して鳴き声を流して繁殖個体の誘引等を行ったり、生息状況のモニタリングなどの対策を行っています。少しずつですがヒナの巣立ちに成功するようにもなりました。
こうした活動が絶滅を食い止める大きな一歩となったのでないでしょうか。

またいつの日かウミガラスの群れが羽ばたく姿を見れる日が来てほしいですね。

かつての天売島