Archive for 7月, 2015
石狩西部のエゾヒグマ
エゾヒグマは、ネコ目(食肉目)クマ科クマ亜科クマ属に分類されるヒグマの亜種で、北海道に生息するクマです。日本に生息する陸上動物としては最大の動物になります。
北海道の森林および原野に分布し、夏季から秋季にかけての時期は、中山帯と高山帯にも活動領域を広げています。江戸時代末期から明治時代初期にかけては、人が多い地域を除けば、北海道全域が生息域であったようです。
大きさはオスとメスとで異なり、オスの方が大きいのが特徴です。
【体長】オス約1.9 ~ 2.3m、メス約1.6 ~ 1.8m。
【体重】オス約120 ~ 250kg、メス約150 ~160kg。
【毛色】褐色から黒色まで個体により様々で、色合いごとに名称が付けられています。夏毛は刺毛で構成され、冬毛は刺毛と綿毛で構成されています。
「金毛」・・・黄褐色系の個体
「銀毛」・・・白色系の個体
「月の輪」・・・頸部や前胸部に長方形様の白色がある個体
【行動】発情期と子育て期以外は単独行動。
【活動期間】春から晩秋・初冬にかけての期間。餌となる植物を得られない残雪や積雪の多い地域にはおらず、植物を採食できる地域に移動します。
【繁殖】発情期は初夏から夏にかけての期間。妊娠期間は約8ヶ月間で、翌年の越冬期間中に巣穴で出産します。産仔数は1 ~ 3頭で、子育てはメスだけで行います。
越冬期間中に出産と母乳による子育てをするため、春になって巣穴から出る頃には、母グマの体重は約30%減少しています。
【新生子】視力や歯などがなく、生後6週目に聴力を得て、7週目に視力を得ます。生後4ヶ月で乳歯が生え、母グマと同じものを食べるようになります。
1 ~ 2歳になると親離れをし、4 ~ 5歳で繁殖できるようになります。
「ビャー」「ピャー」「ギャー」などと鳴き声を発します。
【冬籠り】巣穴に籠る時期は晩秋から初冬にかけての期間。他の個体が前回の越冬に使用した穴を使用することもありますが、基本山の斜面に横穴を掘ります。
【食性】木の実、魚類、節足動物、エゾシカ、農作物、哺乳類など非常に多様性に富んだ雑食性。
【鳴き声】相手を威嚇する時に「ウオー」「グオー」「フー」などの鳴き声を発声。鳴き声以外にも歯を鳴らしたり、足で地面を擦るなどして威嚇します。
【寿命】メスで最高30歳前後、雄は25~28歳。
生息域の縮小と環境の悪化、過剰な捕殺が衰退をまねき、エゾヒグマの将来は明るいものではありません。
街におりてきたクマに襲われると言う被害も少なくありませんが、本来クマが居るべき場所で生きていける為に、何が大切で何が必要かを、私たち人間がもっと考える必要があります。
この青い地球で、ともに生きて行けるために・・・