Archive for 2017
キンメフクロウ
私たち人間からすれば、自然がたくさんあってきれいな景色が広がっているように見える北海道。だけど、そんな北海道ですら、動物たちからしたら自然が減ってしまって住む場所を追われていたり、エサがなくなってしまったりして、絶滅の危機にある動物たちもたくさんいます。
今回、注目した「キンメフクロウ」も絶滅の危機にある動物。
フクロウ目フクロウ科に分類される鳥類の一種である「キンメフクロウ」
漢字では「金目梟」と書き、学名は「Aegolius funereus」と言います。和名は特徴的な目の色からつけられ、学名はスウェーデンの博物学者ピーター・グスタフ・テングマルムから名付けられました。
北アメリカ大陸やユーラシア大陸の北部に帯状に生息していて、年間を通して同じ場所に生息し、季節による移動をしない“留鳥”です。
日本では、秋に来て冬を越し春に去る渡り鳥として、北海道や新潟県で数回記録されただけでしたが、1986年に北海道の大雪山系の針葉樹林で繁殖が確認されました。現在は3ヶ所でのみ繁殖が確認され、留鳥として生息していますが、生息地が限定されているし、生息数もとっても少ないしで、環境省のレッドデータブックに絶滅危惧1A類として登録されています。
森林に生息しているため、森林が減ってしまうことで生息数も減ってしまうのではないかと心配されています^^;
体長は22cm~27cm。翼を広げると50cm~62cmになり、オスとメスではメスのほうが少し大きめかも。
頭、背、翼、尾は褐色で、細かい白斑が頭部と頸に、それよりやや大きな白斑が背面にあり、オスもメスも同じ色。幼い頃はチョコレートのような暗い茶色をしています。
頭は大きめで、顔面は白く、目は黄色をしていて、驚いたような表情をしているように見えるかもしれませんね^^;
基本的には夜に活動する夜行性。茂雪や植物の下にいる姿の見えない獲物も捕えることができった針葉樹林や針広混合林の奥の、他の大型のフクロウ類が活動できないような場所で生活しています。森の中をジグザクに飛び、止まり木から止まり木へ短距離ずつ飛翔して、トガリネズミやヤチネズミ、ハタネズミ、ズアオアトリなどの小鳥、甲虫などを探して食べています。
聴覚がとっても優れていて、聴覚で正確に獲物の位置を知ることができちゃうんです。雪や植物の下にいる姿の見えない獲物もつかまえることができるほど!
目に見えなくてもつかまえることができるなんて、なかなかにすごい能力ですね( ´艸`)
動物たちにとっては過酷な状況なのかもしれないけど、どんな環境でも自分たちの能力をフル活用して、必死に生きているはず!そんな動物たちが“絶滅”なんてことにはならないことを祈るばかりです・・・。
ミツバヤツメ
“絶滅危惧種”とは、“絶滅の危機にある生物種”のことをいうのですが、絶滅しそうな生物たちは思いのほか多かったりします。今まで紹介しただけでもけっこうな種類だと思うのにまだまだいたりするから驚きです^^;
住むところが減ってしまったとか、生態バランスが崩れたからというのが主な理由で、そのどちらにも人間が関わっているというのはなんだか悲しいもので・・・。絶滅なんてことにならないことを願うばかりです。
なんだかしんみりとしてしまいましたが、気を取り直して、今回も北海道の絶滅危惧種をご紹介です。今回注目したのは、名前を聞いてもどんな動物なのかピンとこないかもしれない「ミツバヤツメ」です!
「ミツバヤツメ」は、ヤツメウナギ目ヤツメウナギ科ミツバヤツメ属に属する水中動物です。体はウナギのような形をしていますが、口が吸盤状で胸びれや腹びれがなく、体の脇に目に並ぶように7つの鰓孔(さいこう)があり本物の眼とあわせて左右8つずつの眼に見えて、三つの歯を持つことから「三歯ヤツメ」と命名されました。
生息しているのは、太平洋の北半球側で、日本では北海道のごく一部の河川。まれに本州の河川にも迷い込んでくることもあります。
大きなものは全長70cmくらいになり、海で大型魚に寄生して成長した成魚は、春から夏にかけて産卵のために海から河川を遡行し、卵は3週間前後で孵化し、稚魚は3~5年の間は川床の中に潜んで過ごし、変態して春に海へ下っていくのです。だけど、海へは行かず淡水で寄生生活をすることも。
日本では30尾くらいしか発見されていなくて、見つかること事態がまれで、生態も謎だらけの絶滅危惧種。国内ではまだ詳しい生態調査はされておおらず、はっきりとしたことはわかっていないのだとか・・・。
個体数が少ないだけでなく、生体がよくわかっていないということもあって、探してもなかなか見ることができません。
だけどぜったいに見れないというわけではないのでご安心を!
どうしても見てみたいと思ったら、栃木県大田原市の水族館「栃木県なかがわ水遊園」へ行ってみましょう!栃木県なかがわ水遊園では、那珂川水系で発見された2尾がで飼育されていて、唯一生きたミツバヤツメを見ることができるのです。珍しいものが見られるというのもあるのですが「気持ち悪い」と好評なのだとか・・・。
パッと見はごく普通のウナギ型の魚なのに、どこが“気持ち悪い”のか・・・。それは、口を吸盤のようにしてガラスに張り付いたところを見るとわかります。
どうですか?納得!ではないですか?
こう言ったらなんですが、確かにちょっと“気持ち悪い”ものがあります・・・^^;
それはさておき、せっかくの貴重な2尾が長生きしてその姿をいつまでも見せてくれて、絶滅の危機にストップをかけてくれたらいいですね^^
エトピリカ
皆さん“絶滅危惧種”のことを詳しく知っていますか^^? きっと自信を持って「はい!!」と答えるのは専門家の人ぐらいなのではないでしょうか。
私自身も、絶滅危惧種が現在、日本でどのぐらいの数がいるのか・・・あるいは惜しくも、本当に一匹残らず絶滅してしまった生物が何なのか・・・と聞かれるとハッキリした回答が出来ませんが(^^;
今や、日本でも大気汚染や地球温暖化によって、悲鳴を上げている生き物たちがいることは間違いありません!! 私たち人間は、ほとんどの人が、不自由なく暮らすことが出来ていますが、生き物たちも同じでしょうか?きっと必死に食べ物を探したり、住む場所を作ったり、毎日必死なハズ。人間が、自由勝手に自然を破壊して“都会化”が進むにつれて絶滅危惧種も増えてしまうことでしょう。
国内の中でも、注目するのは“北海道の絶滅危惧種”
これまでたくさんの生き物たちを紹介してきましたが、まだまだいます!!
今回紹介するのは「エトピリカ」
この名前を聞いても“一体どんな生き物なのか”分からない人が多いのでは^^?
「エトピリカ」とは、チドリ目・ウミスズメ科に分類される海鳥の一種。鮮やかな羽とくちばしが特徴のある“海鳥”なんですよ~。
どのぐらいの大きさかというと、体長は約40㎝・体重は約750g程度。皆さんがよく知っている鳥に例えると、鳩よりも少しだけ大きいくらいですかね。
そして、この「エトピリカ」という変わった名前の由来について・・・エトピリカとは、北海道でもお馴染みのアイヌ語で“くちばしが美しい”という意味!!
くちばしが美しいことがそのまま名前になるなんて・・・
一体どのぐらい綺麗なのか見てみたいと思ったでしょ^^? ご覧ください~!!
いかがでしょうか^^?その名の通り美しい、橙色の大きなくちばしをもっています。そのくちばしをよく見ると、縦に平べったく、そして数本の 溝があるのが分かりますか?
更に、頭部が鮮やかに彩られる様から「花魁鳥」(おいらんちょう)という別名もあるんですよ~。 よく似ているとして“ツノメドリ”が挙げられますが、お腹のあたりまで黒いこと、そして夏羽の飾り羽で区別することが出来ます。
この「エトピリカ」は、世界的に決して数の少ない鳥ではないのですが、日本は“分布域の西端”にあたるため生息数が少なくなっているのです。 日本の中でも、繁殖地は“北海道東部”の厚岸町大黒島、浜中町霧多布(キリタップ)小島、根室市ユルリ島、モユルリ島のみで、 1960年頃には、約250羽程が飛来していたのですが、現在は30~40羽程となり、そのうちの十数つがいが繁殖するのみとなっているんだそう。
これも、日本が住みにくくなっている証拠なのではないでしょうか!!
気になった方は北海道へ!!