エゾオコジョ

体の大きさが14~20cm位の小さなイタチの仲間。

オコジョ自体はユーラシア北部、北アメリカにも生息、北海道に生息しているものは「エゾオコジョ」といわれ主に上川に生息、別名をエゾイタチともいいます。
体は夏の間はチョコレート色で冬になると保護色の真っ白に毛の色が変わります。
ネズミを餌とするが時々自分より大きなウサギやライチョウも食べることもあります。
近年は山岳地帯でしか見られなくなってしまいました。イタチの仲間ですが、イタチよりも小さくどちらかというとフェレットやミンクに近い風貌です。動物園で何度か見かけたことがありますが、二本足で直立不動するすがたはプレーリードックを彷彿とさせる愛らしさですね。

可愛らしい見た目とは違い気性は非常に気性が荒いことでも知られています。
森林、草原、人家のちかくなど様々な環境におりコケや草を敷き詰めた巣をつくる主に夜行性、単独で生活し、主に岩や樹根のすきまに営巣したりネズミの巣穴を乗っ取って自分のモノにすることもあるようです。動きはきわめて敏速で木登りや泳ぎも得意です。
現在日本ではオコジョは捕獲禁止となっているのに、何故オコジョの個体数が減ってしまったのでしょうか?

昔からオコジョは、毛皮として重宝されアーミン(特に冬毛のもの)とよばれ高級品でした、ヨーロッパでは長らく王族の象徴とされてきたといいます。オコジョの毛皮をいくつも並べ一枚にぬいあわせガウンの下地などに
好んで用いたというから贅沢なお話です。
日本に毛皮ブームが起きたときに一気に増えた生産量を賄おうとミンクを移入、その一部が野生化しエゾオコジョの生態系に影響を与え、ミンクによりエゾオコジョの餌は奪われてしまいました、さらに追い打ちをかけるかのように森林伐採により生活する場も奪われていったのです。

一時的なファッションブームにより一つの種が絶滅の危機に瀕している、という事実はオコジョだけでなく種が減ることにより生態系、自然界に与える影響もすくなくはありません。
現在毛皮を規制する動きもありますが、需要がなくなったわけではありません。
冬毛の白いオコジョはマスコットにもよく使われ、アニメや漫画にも度々登場するなど、その愛らしい姿に人気が集まっているといいます。愛らしいオコジョの姿を後世に残すためにも、我々、はブームという一時的な経済活動のために一つの命を犠牲にしている自覚をすべきでしょう。

学名 Mustela ermimea

食肉目(ネコ目)イタチ科

 

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