シマフクロウ

「日本で唯一シマフクロウに会える動物園」と言えば釧路市動物園でしたが、2012年にオスのクックが円山動物園に、メスのロックが旭山動物園にお引越しとなりました。今はシマフクロウに会える動物園が3箇所になり、それぞれ北海道旅行客の一つのお目当てとなっています。

 私も動物園でシマフクロウを見たことがありますが、もふもふした感じが本当に可愛いです。あの首は一体どうなっているんですかね?思わず一緒になって首をかしげてしまいます。あんな角度にはなりませんが……(笑)

 そしてフクロウが飛ぶとこちらもびっくりしてしまうんです。意外と大きいんですよね。落ち着いた雰囲気を持ってるけれど、動くと迫力があります。昔、夜に野生のフクロウを見た時はさすがに怖かったですもん。

 そしてフクロウの方が警戒している時は、頭近くの飾り羽をピーンと立てます。その姿はまるで犬や猫の耳のようで、キュートなんですよ。多分やってる本人達は威嚇してるつもりでしょうけど……。

シマフクロウは動物界脊索動物門鳥綱フクロウ目フクロウ科シマフクロウ属に分類される鳥類で、全長約71cmとフクロウの中では世界一の大きさです。大木の樹洞に営巣し、魚を主食に生活しています。

分布は北海道・南千島、
サハリン・ウスリー地方に限られますが、後者は別亜種です。北海道での生息数は140羽程度で、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」として絶滅の危機に瀕しています。

以前、シマフクロウは北海道の広い範囲に分布していました。しかし開発による生息地の破壊や水質汚染、漁業との競合、交通事故、人間による繁殖の妨害などにより、生息数が激減してしまったのです。現在は北海道東部の河川、湖沼周辺の自然林などに生息しています。

全身の羽衣は灰褐色で、黒褐色の縦縞と細い横縞が入っていることが名前の由来です。黄色の目が夜間に輝いたかと思うと、シマフクロウが川魚を捕食しているところだったりします。

日本では天然記念物と国内希少野生動植物種に指定され、巣箱の設置、冬季の給餌、生息地を保護区や保護林に指定するなどの保護対策が進められています。その結果、繁殖成功数は増加しています。しかし生息地が消失しているため生息数は上昇傾向にはないというのが現状です。

人間の手による自然林の伐採、河川改修などで絶滅の危機に追いやってしまったわけですが、人間の手で繁殖を手伝うのは難しく、研究者を中心に試行錯誤しているところです。

動物園という身近な場所にいて、自分も知っている、見たことがある、そんな生物が絶滅してしまうかもしれないと考えると、とても悲しくなります。それと同時に恐ろしくも思います。環境が変ればどんな生物にも絶滅の危機は訪れるのだということです。

Aという種がなくなれば、Aに食べられていた種は増え、Aを食べていた種はなくなります。それは既に大きな環境変化であり、その変化は連鎖して多くの生物に影響をもたらします。動物も植物も土も水もその連鎖に巻き込まれることでしょう。多くの命が複雑に絡み合って成り立っているのがこの世界なのだと、改めて認識しました。

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